2023年10⽉、ニューヨークを拠点とする独⽴系スタジオA24とパートナーシップ契約を締結したハピネットファントム・スタジオ。今年1⽉より、TOHOシネマズの劇場にて毎⽉24⽇に<制作:A24×配給:ハピネットファントム・スタジオ作品>の特別上映がスタート。
この度、第9弾となる9⽉24⽇には『カモン カモン』の上映が決定!

NYを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニーは、妹が家を留守にする数⽇間、9歳の甥・ジェシーの面倒を見るためにLAに飛ぶ。子育ての厳しさを味わうと同時に、驚きに満ち溢れたかけがえのない⽇々を送ることになるジョニー。それぞれの孤独を抱えたふたりは、ぶつかりながらも真正面から向き合うことによって、新たな絆を見出していく――。
本作は、『ジョーカー』で狂気そのものを体現しアカデミー賞(R)主演男優賞に輝いたハリウッドの名優ホアキン・フェニックスが、『ジョーカー』の次の主演に選んだ物語だ。「共感できる瞬間や感情がたくさん描かれている」と脚本に惚れ込んで出演を決めたというホアキンだが、そんな名優に引けを取らない才能を見せているのが、英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど注目を浴びた、当時12歳のウディ・ノーマン。「この作品には並外れた才能の子役が必要だった。」とホアキンが、「キュートで遊び心があるだけでなく、複雑な陰影を漂わせている子を求めていた。」とマイク・ミルズ監督が語るように、二人の期待値は高いものだったが、ノーマンはしなやかに応えた。「ジェシーの好きなところは、彼が子供の部分と大人の部分を併せ持っているところ。」と自身の演じた役柄を語り、ホアキンとの共演については気負うこと無く、「ホアキンは僕と同年代だと思っています。」と明かすまでに絆を深めた。映画には2人の本当の関係と親密さがリアルタイムで映し出されている。
ミルズ監督にとって、本作は『20センチュリー・ウーマン』に次ぐ2度目のA24とのタッグ。前作では母との関係性を描いたが、本作は父となり子育てを通じて体験した数々の“想定外”の出来事にインスパイアされて作り上げた物語だ。「父親になったことで、これまでよりさらに遠い未来まで見つめるようになった。しかも、未来について昔よりも懸念するようになった。子供を愛していたら、政治との繋がりを感じるし、世界の暴力や歴史について考えないわけにもいかないんだ」。
また、監督の意図や想いを尊重することでも有名なA24だが、今作でミルズ監督がA24へのプレゼンでプッシュしたのはモノクロ映像で撮ることだったという。「純粋にモノクロの方が美しいと感じる。『カモン カモン』に関しては、ある男性と少年の寓話や神話のようなイメージをずっと抱いていたんだ。モノクロにすることで、⽇常風景から切り離されて、これは“物語”なんだ、ということをまず提示できる。つまり“物語”の中へ導くための手段なんだ。僕たち人間は、世界をモノクロで見ることはないから、より映画的な世界を作り出せるんだと思う」。
自身の経験やこだわりを本作に注ぎ込んだミルズ監督。今回TOHOシネマズ ⽇比谷では上映後に監督のオンライン登壇が決定!キャスト・A24との制作過程や撮影秘話、そして今観客に伝えたい本作に込めた願い。是非楽しみに期待して欲しい。