CMディレクターの経験を活かして

─ 下津監督のキャリアについてお伺いしたいのですが、大学時代から映画制作を始められたそうですね

大学時代、理系だったんですが、選択授業で「映画の作り方」というのがあり、「映画って作ることができるんだ」と受講したのがきっかけです。友達と一緒にビデオカメラで撮影していました。

特に映画が好きで映画監督になったわけではないので、有名作品でも観ていないものもあるんですよ。

─ 大学を卒業してからも映画を作るということはずっと意識していたのですか?

大学を卒業したあとは、CMなど広告の仕事を中心にしていました。CMは15秒、30秒の尺で映像を作りつつ、クライアントに絵コンテを見せて、こういう映像になると説明をしないといけないんです。そこで鍛えられましたね。CMの秒の世界では、1カット1カットに意味を持たせなければならないんです。

日本映画の世界は、演技が中心にあり、テストで演技を見て、そこからカット割りなどが決まっていくことが多いと思います。もちろん目の前で起きている芝居を作品に反映するのも素晴らしいことですが、僕はどちらかというと、撮影のタイミングや、どのサイズで撮影するかなど、映像演出に重きをおいているタイプ。映像技術に関しては、広告の経験が映画監督の仕事にすごく活かされていると思います。

─ どう映像で演出して見せるかを大切にしているんですね

どんなにいい芝居をしても、撮り方がうまくなかったら、いい芝居も活かされず演技が下手に見えるかもしれないので、映像演出に重きを置いて演出をすることも大切だと思います。

─ なるほど。現場では俳優に対してどういった演出をされていますか?

僕は現場で演技について細かいことは言わないです。質問に答えるくらいですね。なぜならキャスティングした時点でその人に委ねているからです。俳優さんはご自身で演技プランを考えてきているので、それを現場で「ニュアンスを変えてほしい」というのは僕の映画ではちょっと違うという気がしているので。俳優さんを信じて託しています。

─ ではキャスティングはとても重要になってきますね

そうですね。でも俳優さんがどんなお芝居をしても、自分の色に染めて良く撮れる自信はあります。映画作品は本作で2作目ですが、CMなどの映像作品は200本以上作ってきて現場の数をこなしてきた自負があるので。

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