新役・しんすけくんの魅力は、幸福そうな笑顔

─ 新役のしんすけくんや子どもたちはどのようにキャスティングされましたか?

新役については、僕らは何も伝手がなかったので、スペシャルニーズスーパーバイザーの安田一貴さんにお願いしました。安田さんは理学療法士であると同時に、障がい児向けのリハビリ、ケアに関する講演を行なったりしているので、人脈が広いんです。安田さんに「映画出演が可能な1歳から8歳までの子どもたちを紹介してほしい」とお願いしました。

紹介していただいた子どもたちのビデオや写真を見て、役のキャラクターに合う子を選びました。俳優のオーディションと同じやり方ですね。出演してくれた障がいのある子どもたちに合わせて脚本を変更することは全くなかったです。

─ その中からしんすけくんを新役に抜擢した理由は?

しんすけくんは笑顔がとても幸福そうだと感じたんです。ひねくれまくった大人たちが新に出会い、気持ちを変化させていく物語なので、新の役はとても重要でした。しんすけくんと出会ったとき「この子が新を演じてくれたらいいな」と感じました。

─ 子どもたちの演出はどのようにされていたのでしょうか?

僕は直接言葉で演出することはしなかったです。役に合う子を厳密にキャスティングしているので、カメラの前でのびのびと萎縮しないで動いてくれれば、それが役の表現になりますから。スタッフみんなで彼らにとって楽しい空間を作ることを心がけました。

狙った表情が出るまで粘り強く待つということはしなかったですね。彼らにストレスを感じさせたくなかったので、撮影現場に入ったらすぐにカメラを回してOKを出していたことが多かったです。

─ 明野と新、ふたりのシーンはどのように作っていったのでしょうか?

宮藤さんはしんすけくんに話しかけたりしてコミュニケーションをとっていたようです。明野は新を抱っこするシーンが多いので、しんすけくんも宮藤さんに慣れていって、どんどん親子らしくなっていきました。

しんすけくんの抱っこの仕方などは専門家の方に指導していただいたのですが、宮藤さんはやさしいので、しんすけくんを抱き上げたり、寝返りをさせたりするとき、とても丁寧なんです。でも本当の親御さんは慣れているのでパパっとやってしまう。明野は子どもに対して丁寧に接するタイプではないので、宮藤さんにも少し雑な感じでやってほしいとお願いしました。正直、丁寧に抱っこしてあげる方が楽なんですよ。逆にしんすけくんを少し雑に扱わないといけないというのは大変だったと思います。

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