映画が100なら、最後に後押ししてくれる主題歌

─ 音楽について伺います。Yaffleさんと組んだ経緯を教えてください

本作に参加いただいている音楽プロデューサーの北原京子さんにご相談しました。どういう方と一緒に作りたいか、どんな曲にしたいかをお話しする中で一度Yaffleさんにもスタジオに来ていただいて、ご相談させていただこうという流れになりました。

(C)KOICHIRO IWAMOTO

─ 監督からYaffleさんへのリクエストはありましたか?

打ち合わせをして、1曲ずつ「ここはこういう感じで」ということはもちろんお伝えしました。ただ、具体的に楽器を指定するようなことはまったくしていません。具体的なことよりも、こちらの想いみたいなものをお伝えしました。

一方で、上がってきた音楽と映像を細かく同期させる調整については、かなり密にコミュニケーションを取りました。ダビングのときにも最後まで細かく相談しました。ただ、最初にラフをお願いする段階ではあまり絞り込まずにお願いしました。

─ 主題歌をadieu(上白石萌歌)さんにお願いしたのは、Yaffleさんがプロデュースされていることも関係しているのでしょうか?

そうですね、先ほどお話しした音楽プロデューサーの方には、かなり早い段階で映像を観ていただいて、一緒に伴走していただきました。主題歌についても、その中で議論を重ねさせていただいて、オファーをさせていただいたという形です。

─ 監督から主題歌の制作に関して、リクエストしたことはありますか?

僕は、映画が100だとしたら、最後に聴くことでよりそれを後押ししてくれるような曲がいいと思っていました。歌詞や曲を聴いた時に、本編には描かれていないけれど、「もしかしたら、この人物は心の中ではこんなことを思っていたのかもしれない」と、本音のようなものを少し感じられる曲です。

1つお伝えしたのは、実際の歌詞に「会いたい」という言葉がなくても、その核には「会いたい」という気持ちがあってほしいということです。会えないことが分かっているからこそ口にする「会いたい」という言葉の切なさ。そういうものを核にした曲が、最後にあるといいのかもしれない、とお話ししました。

─ 完成した主題歌「ささくれ」を初めて聴いた時、どのような感想を持ちましたか?

自分の映画の主題歌だからということではなくて、本当に感動しました。この作品のために書き下ろしていただいた新しい楽曲なので、『我々は宇宙人』とすごくシンクロしていて、同じような心を歌っている曲というか。本当にこの作品の主題歌としてぴったりの曲になったと思って、すごく満足しましたし、嬉しかったですね。

─ adieuさんとは、実際にお会いしてお話もされたのでしょうか?

レコーディングの前にお話ししました。ちょうど上白石さんの中でも “平成の懐かしいもの” がブームになっているタイミングだったらしいんです。シール帳を見せてくださって。いつも持っているそうなんですよ。プロフィール帳もいただいて、「次に会う時までに書いて渡します」という話になったり、シール交換をしたり。初めてお会いしたときに、そういう懐かしいやり取りがあったんです。

シール帳が出てきたときはびっくりしました。この作品のテーマにもすごく合っていたので。

そんな上白石さんなので、この作品も大好きだと言ってくださって。「この作品の主題歌ができてすごく嬉しいです」と真っ直ぐに言ってくれました。作品を本当に好きな方に歌っていただけることになったのが、すごく嬉しかったですね。

1 2

3

4 5

RELATED

PAGE TOP