6畳の部屋から世界へ

─ 本作は世界の映画祭でも注目されています。長編デビュー作が世界でこれだけ注目されていることを、監督ご自身はどう受け止めていますか?

予想外でしたね。カンヌですからね。死ぬまでに1回行けたらいいかな、というような場所だと思っていたので、本当にびっくりしました。

カンヌへ行く2か月前まで、僕はずっとスタジオにこもっていたんですよ。それが2か月後には絶景のビーチでキャストの皆さんと写真を撮って、毎日おいしいパスタを食べて。「制作をやりすぎて、天国に来ちゃったのかな」というくらい、その差が激しかったです。ずっと6畳の部屋で編集していたのに、突然ものすごい絶景の海で、みんなから拍手をもらって。ビーチを歩いていると、10分に1回くらいフランスの方から「門脇監督ですよね? サインください」と声をかけていただいたりもしました。

アヌシーは、もっとすごかったです。1人でカフェに入っても、必ず隣の席の方が「昨日『我々は宇宙人』を観ました。ぜひ話したいので、1杯おごらせてください」って。アイスコーヒーをおごってもらった上に、「ビールまで出てきたりして(笑)。

─ 海外の観客からの反応はいかがでしたか?

日本の試写会で観たお客さんと、感じ方が同じだったことに驚きました。フランスへ行ったらフランス独特の感想が出てくるんだろうと思っていたんです。もちろん、日本の方々に刺さっているような部分が、フランスの方にも届いてほしいという気持ちはありました。実際に「ここに本当に感動した」といった話を聞いてみると、国は関係なく同じだったんですよね。同じだったこと自体に、僕はびっくりしました。

─ そうした感想などは今後の作品作りにも影響を与えそうですか? 「世界でも分かってもらえる、通じる」ということが分かったわけですよね

そうですね。この作品は、完成してみると「いじめ」というテーマで捉えていただくこともありますし、海外の媒体の方から取材を受ける中でも、いろいろなテーマの切り口を提示されて「確かに」と思うことがありました。

でも僕自身は、いろいろなテーマを盛り込みたかったというより、とにかく面白い作品、自分が作りたい作品を作りたかったんです。それを頑張っていった結果様々なテーマが自ずと浮き彫りになっていったんです。

だから次も、自分が「作りたい」「これは面白い」と確信しているものを頑張って作れば、きっといいんだろうなと感じました。

─ すでに監督の中には、次にやりたい作品の構想もあるのでしょうか?

ぼんやりとは、できていますね。

─ 最後に、この映画を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします

僕はこの作品について、「自分が作らなければ、もしかしたらこの世にもう生まれてこないかもしれない」と思いながら作りました。そこには使命感のようなものもありました。世界のどこかに、きっとこういう物語を観たい人がいるはずだ、それを僕が作るんだと思って作った作品です。

必ずこの作品を必要としている人が世界にいるはずだという確信を持って作りました。だから、信じて観てほしいです。

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