身寄りも名前もなかった少年期の「山田」の名付け親となる巡査・照夫を演じた丸山は、台本を読んだ際の印象について「原作が佐藤二朗さんということで、どういう脳みその中身をされているのかなという興味がありました。僕は結構スプラッター映画やサイコホラーが好きなんですけど、こういうテイストのものは見たことがなかったので。台本の時点では当然文字なので、これがどんな風に映像に落とし込まれるのかを、すごく楽しみにワクワクしながら読みました」と語る。

一方、山田と同じ児童養護施設で育ち、共に暮らしていた山田花子役のMEGUMIは「私は二朗さんとはコメディ作品でご一緒することが多く、ふざける人でしかなかったんです」と笑うと、「こんなことを考えていたんだというのはすごく衝撃的でした。でも、特殊な能力を持った太郎のファンタジーと、人が生きていく中での切なさ。一番近い人に理解してもらえないとか、一番近い人に自分を受け入れてもらえないといった切なさが見事に混じり合っていて。本当に見たことがない、体験したことがない映画だなと。すごく面白いなと思って拝見しました」と感想を述べた。
主演を務めた佐藤とは「ほとんど現場で会う機会がなかったんです」と残念な表情を浮かべる丸山。撮影前のお祓いの際に会ったときも「『本当に今回、本作を受けてくれてありがとうね』という会話ぐらい」と語ると、「『エイトレンジャー』という堤幸彦監督作品で一度ご一緒しているのですが、そのときは(佐藤が)コメディラインの役で、アドリブバチバチの二朗さんだったので、今回はかなり違うトーンの芝居だったのが新鮮でした。セリフは多くないのですが、相当いろんなものを背負っていることを滲み出させるような表現で演じていらっしゃいました」と佐藤の芝居に鬼気迫るものを感じていたという。
また丸山は「二朗さんが『自分が書いたものを他の人に演じさせるわけにはいかない。これを他の人に演じてもらうと、相当な重圧と負荷をかけてしまう』とおっしゃっていたんですけど、自分が背負って演じるんだという気概を感じました」と語った。