そんな中、柴咲は「今年観るべき1本」というコメントをピックアップ。「⾔い切ってくれてありがとうという思いです。そんな映画に出られて本当にうれしいです」と語り、会場を沸かせた。

さらにこの⽇は映画を観終わったばかりの観客から直接感想を聞くという試みが⾏われることとなったが、マイクを観客に渡す、いわゆるマイクランナーと呼ばれる役割をキャスト陣が⾏うことで、観客の感想を直接聞く、という貴重な機会となった。

最初にマイクランナーに指定されたのは宮藤。突然のことに少々⼾惑いながらも、⾃らマイクを⼿にして客席に向かった。そこで指名された観客からは「⾒ている時にすごく苦しくなるシーンが多くて。今の舞台あいさつ中も余韻で泣きそうになってしまう時があったんですけど、命の価値をすごい考えさせられる映画だなと思いました」という感想があり、宮藤もその意⾒を真摯に聞いていた。

続いてマイクランナーを務めることになったのは⻄島。真っ直ぐに⼿を挙げ続けていた⼀⼈の⼥性客が感想を述べることとなったが、彼⼥は時折、⾔葉を詰まらせながら、⾃⾝の境遇をせつせつと吐露した。

「実は映画を⾒ながら、⾃分も苦しかったんです。わたしにも重い発達障害などで病院にお世話になっている⼦どもがいまして。今回、この映画を観て、絶対の正解や、間違いない幸せなんていうものはないんだなと痛感しました。今までよそのお⼦さんが羨ましいと思うこともいっぱいありました。⼦どもが⼩学⽣の時、『僕は障害を持って⽣まれてきて幸せだったよ。お⽗さんとお⺟さんの顔を⾒れたし、海や空を⾒ることができたから』と⾔ってくれたんですけど、社会⼈になって初めて『僕は障害を持って⽣まれたくなかった』と⾔われて……ごめんねと⾔ったけれど、『謝ってほしいわけじゃない』と⾔ってくれました」

⾃⾝の葛藤を涙ながらに語るその声を、⻄島も真剣なまなざしで聞き⼊っていた。

「今回この映画を⾒させていただいて、たくさんの⽅が私以上に苦しみながらも、温かい思いを抱いて⼦どもを育てて⽣きていらっしゃるんだと⼼から思いました。何より嬉しかったのは、スペシャルニーズの⼦どもたちご本⼈が、こんなにたくさんカメラを向けられていたことです。お⾵呂に⼊った時にちょっとだけ笑顔になったり、ご飯を⾷べさせてもらった時にちょっと表情が変わったり。そんな⼩さな幸せを重ねながら⽣きているお⽗さん、お⺟さんが世の中にたくさんいるんだと今⽇知りました。あの⼦たちにカメラが向いたことが、本当に価値ある素晴らしい作品だったと思います」とコメントするも、最後に「そしてこれは個⼈的な話で申し訳ないんですが、わたしは30年前から⻄島さんが本当に⼤好きで。今⽇もそういう気持ちで参加させていただいたんですけど、宮藤官九郎さんのお芝居がこんなにもすばらしいのか、ということに驚きました」と付け加えると、宮藤も「僕は30年前から(ファン)じゃないんですね」とツッコんでみせて、会場を笑いに包み込んだ。

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