小林監督は、のんについて「すごく山猫感がある」と独特の表現で評し「瞬発力があって、ちょっとブラックで、でも笑えるんです。見ていて楽しいです」語る。また、安田については「本当に会ったことのない(タイプの)ひと」と語り「初対面で話をして、4時間後くらいには『私はどういう人間です』と告白させられていた」と述懐。「一歩間違えると危ない人(笑)。全財産を出して『わかりました!契約します!』ってなるかも(笑)。僕は人との距離が難しいんですけど、(安田は)いつのまにか、このへん(すぐ近く)にいるんです。それがイヤじゃないんです」と安田の“人たらし”ぶりを明かし、のんさんも「すごくわかります!」と深く同意してい
た。

舞台挨拶の最後に小林監督は「役に立つか、立たないか? みたいなことで、世の中の人間の存在価値として測られている気がして、それがここ10年くらい気になっています。この本をもらった時、そこに⾃分の問題意識がフィットしたので、恐ろしいけどやってみたいと思いました。『ただ、いるだけ』というのが許される世の中になれば、もっと豊かになると思っています。(映画を)見た結果、なるほどと思っていただけたら、周りの方に面白かったと言ってもらえると嬉しいです」と呼びかける。

のんは「大貴と希の物語が⾃分の中にあることで、皆さんのこれからが豊かになっていったらいいなと思っています。ぜひじっくりご覧ください」と語った。

そして、安田は「寛容な対話だったり態度、辛辣な対話だったり態度、そして時に無視をしてしまうという態度であったり、言葉にしないこと――世の中にいま、こういうことがはびこっていると思います。でもそれは、僕たちが一生懸命生きているから、そうしたくなくてもたまにそういうことが起きてしまうんだと思います。そのたびに反省したり『もうちょっとこうしてあげられたら良かったのに…』と落ち込んでしまったり、⾃分を励ましたりするんだと思います。ということは、皆様ひとりひとりが常々、内側でそういうことが渦巻いているということを理解し合えていれば、⾃ずとひとりひとりの距離が近くなるでしょうし、近寄っていいタイミングがあったら、近寄れる時が来ると思います。そうすることで日本が変わるだろうし、少しずつ変わっていく世界があると思います。それぞれが思っている普通は、人によっては違うかもしれないので、否定せずちゃんとそれぞれの普通を受け止めてあげてほしいと思います。何より『一人ぼっちじゃない』ってことだけは理解してほしいです。少なくとも味方がいますということを肝に銘じてください。そして、それぞれ違っていていいってこともよく心に留めてほしいです。この映画を通じてひとつひとつ、変えていければと思っています。なので、この作品を皆様が育ててください」とこの映画に込めた思いを語り、会場は温かい拍手に包まれた。

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