
2026年6月12日(金)に公開されるSFサイコエンタテインメント映画『NEW GROUP』は、2024年『みなに幸あれ』で商業映画監督デビューをした下津優太監督の最新作。すでに世界の22を超える海外映画祭で上映されており、第20回ファンタジア国際映画祭・審査員特別賞などを受賞、高評価を博している。組体操という集団行動から生まれる人間の心理をユニークな演出で魅せる新感覚の作品だ。
引っ込み思案な高校生の愛(山田杏奈)が通う高校に、転校生の優(青木柚)がやって来る。海外帰りの優は集団行動になじめない様子。そんなある日、校庭で一人の生徒が四つん這いになって動かなくなる。時間の経過とともに教師や生徒が集まり、四つん這いになり、やがてそれは人間ピラミッドに。そしてその現象は地域を巻き込む集団怪現象になっていく……と言う物語。
ヒロインの愛役は山田杏奈。優役は青木柚。ほか、不気味な笑みを浮かべる校長先生をピエール瀧が演じている。
本作について下津優太監督にお話を伺った。

監督の体験から生まれた作品
─ 映画『NEW GROUP』は、組体操の集団が襲ってくるという奇想天外な設定に、驚きと怖さと面白さがつめこまれた最高のSFサイコエンタテインメントでした。まず制作の経緯から教えてください
映画監督として教養をつけようとあらゆるジャンルの本を読んでいたときに、ある社会学の本に出会ったんです。その本には「社会はさまざまな集団でできている」という一文がありました。確かに家族、学校、会社などで社会は成り立っており、とてもおもしろいと思うと同時に、規律の取れた集団は見方によっては恐ろしい。この集団を突き詰めると人間ピラミッドになるのではないかと。それが『NEW GROUP』を作るきっかけになりました。
また報道などで知る世界の社会情勢が、これまで都市伝説として語られていたようなことがリアルになっていると感じます。都市伝説と現実の境界線が曖昧になっている。自分たちが生きている世界は大丈夫か? という思いも作品に込めました。
─ 学校を舞台にしたのは理由があるのですか?
僕は学生時代、規律が厳しい学校に通っていました。そのとき、厳しい先生や先輩に行動を支配されると、恐怖のあまり思考停止してしまって、そういうときに洗脳されやすいのかもしれないと感じました。そんな体験も脚本に組み込みました。

─ キャスティングも良かったです。愛役の山田杏奈さんと優役の青木柚さんは下津監督が選んだのでしょうか?
そうです。山田さんは『ミスミソウ』(18)、『樹海村』(21)などホラー作品の出演経験もあり、ホラーではないけれど『山女』(23)でもかわいそうな目にあう女性を演じていました。
山田さんは、かわいそうだな、大変だなという目にあう役をとても魅力的に演じられる俳優さんで、観客に感情移入させる力があります。この映画で山田さんを窮地に追い込んで、そのときに発揮される魅力に期待をしてお願いしました。

青木柚さんはとても素晴らしいお芝居を拝見していたので、集団圧力に立ち向かう優としてみんなを引っ張ってくれると思いました。実際に青木さんは、役柄と同じように撮影現場でみんなを引っ張ってくれましたし、その姿に共鳴するように山田さんも撮影に臨んでくれたので、愛と優をお二人に任せて本当に良かったです。
