完成した映画を鑑賞した京極氏は「小説って、書いてあることより、書いていないところのほうが大事なんです。書いていないところは読む人が決めること。映像は、その書いていない部分なんです」と、小説と映画の違いに言及した。物語の中心にいながら、最初からすでに亡くなっている亜佐美について「最初から死んでいるので出てこない。初めて見て『あ、こんな人だったんだ』と思いましたし、書いた小説の中の風景は『こんな風景か……』と感動しました」と振り返った。原作との違いを気にする声もあるというが、「違うけど、その通りだなって。いたく感心した次第です」と完成作を高く評価した。

その言葉を受け、奈緒は安堵の表情を浮かべた。「緊張して今日を迎えていました。舞台挨拶の前には3人でお話しする時間をいただいたんですが、そのときも先生は『うれしいです』とおっしゃってくださったので、すごくほっとして力が抜けました」と笑顔を見せた。