毎日、毎秒、違う西畑さんがいた
─ 西畑大吾さんとは以前にもお仕事をされていますが、俳優としての西畑さんと仕事をしたいという思いがあったそうですね
以前、なにわ男子のライブの幕間映像を担当したことがあって、そのときの西畑さんの姿を見て、お芝居に対してとても真摯で、情熱的な方なんだと感じたんです。それで、いつか西畑さんとお芝居でご一緒したいと思っていました。それが今回叶って嬉しかったです。
─ 実際に俳優としての西畑さんとご一緒して、どんなところに魅力を感じましたか?
西畑さんは、毎日、毎時間、毎秒、違う西畑さんでいらっしゃるんです。佐倉くんが憑依しているようなときもあれば、西畑さん自身として現場を明るく盛り上げているときもある。本当に奥深くて、良い意味で掴めない方です。西畑さんが次にどういう表現をされるのかを見るのが、とても楽しかったです。

─ 佐倉真司という役については、西畑さんとどのようなお話をされたのでしょうか?
撮影をしている最中や役について話している中で、佐倉くんは、もしかしたら『生きているだけで人に迷惑をかけているかもしれない』と思ってしまうくらい繊細な人なんじゃないか、という話をしました。
そんな繊細な佐倉くんが、花森さんのような天真爛漫で、自分を引っ張っていくような人と出会ったら、どういう反応をするのか。人物像から生まれる行動についてディスカッションしました。
佐倉くんだけでなく、花森さん、(渋谷凪咲演じる)朝月さんも含めてリハーサルがあったので、私を含めた4人でどういう雰囲気がいいのかを作っていきました。リハーサルによって、ある程度感覚を掴んだ状態で撮影に入れたと思います。
─ 花森役の福本莉子さんには、どのような演出をされたのでしょうか?
佐倉くんと同じように、花森さんにも、花森さんの事情があります。だからこそ、人とどう話すのか。友達といるときには明るくいようとするのか、そのバランスについては話しました。明るく見えるけれど、ふとした瞬間に「あれ、この子、何か悲しいことがあったのかな」と感じられるようにしたい、と。
花森さんには天真爛漫さがあって、最初は佐倉くんを引っ張っていきます。でも、佐倉くんと出会って変わっていくのは花森さんも同じです。そこから2人が同志になっていくことが大事でした。佐倉くんと花森さんの絆や同志としての距離感、2人の空気感を、セリフのテンポなども含めて調整しながら作っていきました。

─ 今回の映画を作るうえで、一番難しいと感じたところはどこですか
佐倉くんと花森さんが出会う「死者」が何人か登場しますが、その方々が抱えているものは、かなり重いものもあります。そこを軽く扱ってはいけないですし、真摯に向き合わなければいけない。一方で、佐倉くんや花森さんに出会うことで、死者の方にも何か変化が起きます。その変化をどう描くのかについては、慎重にならなければいけないと思っていました。