孫監督と恒那さんが思い描く今後

─ 恒那さん、完成した映画の感想を教えてください

恒那 私は自分のお芝居を観る機会があまりなく、出演しても恥ずかしくてあまり観られないのですが、『トロフィー』を試写で見たとき、恥ずかしさがありつつも、自分のお芝居に対して「もっとこうしたほうが良かったかな」とか「こうしたほうが観客の皆さんに伝わったかな」とか、反省点がたくさん出てきました。自分のお芝居を観たおかげで、次に活かそうとか課題が見つかって良かったなと思いました。

─ 初主演作を経て、改めて俳優の仕事は楽しいと思いましたか?

恒那 演じることは楽しいです。『トロフィー』 の撮影期間、お芝居への意欲や楽しさが自分の中で大きくなって「この仕事をもっと続けたい」と思うようになりました。

─ なりたい俳優像はありますか?

恒那 感情を表に出すお芝居がまだ苦手なので、そういったお芝居ができる俳優になることと、もっと役の幅を広げていきたいです。

─ 孫監督は、今後も自分の体験を軸にして映画を作り続けていくのか、それとも全く異なるジャンルに挑戦していくのか、どう考えていらっしゃいますか?

 私自身の体験としては、この映画で描いたことよりも強いものはないのですが、社会問題、移民問題は興味があります。本作は在日という自分のフィールドで描きましたが、それを別のフィールドに変えたりして作品を通して表現していきたいです。

─ ザ・エンターテインメントみたいな感じではないのでしょうか?

 いえ、エンターテインメントにしたいとは思っています。マイノリティの問題をそのまま描くと、本当に辛くなったり、現実だけの世界になってしまったりすると思うので、そこにフィクションを入れてエンタメとして成立させたいです。娯楽要素をフックにして社会問題などを作品に落とし込んで行ければいいなと思います。

─ 最後にお二人から、本作に興味を抱いている映画ファンも多いと思うので、メッセージをいただきたいです

 朝鮮学校というと、高校無償化や補助金打ち切りといった問題がありますが、今作ではそういった社会問題は扱わず、なんとなく背景にあるだけです。一番伝えたかったことは、朝鮮学校に通う子どもたちが何に悩んでいて、どんなことで笑ったり喜んだりするのかということ。おそらくそれは、日本の学校に通っている子たちとそんなに変わらないと思うんです。本作を通して、朝鮮学校に通うティーンの子たちの世界をのぞいて知ってもらえたら嬉しいです。

恒那 日本に住んで生活をしていると、朝鮮学校の物語はあまり身近じゃないかもしれません。でも難しい内容ではないので、興味を持ったり、考えるきっかけになったりしてくれればいいなと思います。あと、1年間頑張って練習した朝鮮舞踊をお披露目するシーンもあるので、ぜひ見てください!

(C)2026 K2 Pictures

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