この度、多彩な映像制作者たちをゲストに招き、制作にまつわる様々な事柄を語る早稲田大学の人気授業「マスターズ・オブ・シネマ」に、是枝裕和監督がゲスト登壇した。

イベントの前半では、事前に学生から募った質問に監督が一問一答形式で答える形で進行した。映画づくりの哲学から、プライベートに至るまで、その質問の幅は多岐にわたった。最初の質問は、本作も出品された「カンヌ国際映画祭」についての話題からスタート。これまで8度にわたってレッドカーペットを歩いてきた是枝監督も「毎回作品が違うから、慣れるということはない。やはり緊張しますし、新鮮ですよ」と率直な心境を明かした。

今年のカンヌについては、日本が「カントリー・オブ・オナー(Country of Honour)」に選ばれ、日本の映画が数多く紹介されたということで、例年以上に日本映画に注目が集まった。だが一方で、映画祭全体としては「例年に比べると、メディアの数も半分くらいでした。それはアメリカの大作映画がなかったからかもしれないし、物価の高騰という事情もあるのかもしれない。そういう意味では、いまカンヌは一つの過渡期にあるのかもしれませんね」と振り返った是枝監督。

世界中の映画祭をまわる是枝監督だが「一番好きな映画祭」はどこなのか。この質問に対し、是枝監督は「サン・セバスティアン国際映画祭ですね」と即答。その理由は「ご飯がおいしいから」と明かし、会場を笑わせると、さらに「もちろんそれだけでなく、三大映画祭(カンヌ・ヴェネツィア・ベルリン)と違って、賞を狙うという空気がなく、リラックスできるんです。取材も入りますが意外に自由時間があって、街をブラブラ散歩していると、他の監督とバッタリ出会ったりする。散歩していても日本とは違う美しい風景に出会えるし、街そのものが好きですね」と返答。

そして海外から帰国して一番食べたいものは、という質問に「おそば」と答えた是枝監督。「赤坂に美味しいおそば屋さんがあって、天ざるが大好きなんです。この前も食べに行こうとしたら、タッチの差で閉まっていて……まだ食べられていないんです」と明かし、会場を沸かせた。

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