母に背中を押してもらった

─ 映画を拝見して、かなり体当たりで演じられていると感じました。最初にお話が来たときは、出演することに悩みませんでしたか?

正直、すぐに「やります」とお返事ができたわけではありませんでした。マネージャーさんからオーディションのお話をいただいてから、2日ぐらい考えました。

自分の中で考えて、それでもやっぱりどうしてもやってみたいと思ったんです。ただ、自分だけでは判断しきれないところもあったので母親に相談しました。母から背中を押してもらって、オーディションを受けることに決めました。

─ 大胆なシーンがあることも踏まえて、お母さまが背中を押してくれた?

「百合がやりたいんだったら、頑張ったら?」と言ってくれました。それで「じゃあ、やろう」と決めました。

─ オーディションでは、どのようなことをされたのでしょうか?

実際に映画の中にあるシーンを演じながら、「こういうふうにやってみて」「こっちのバージョンでやってみて」と、いろいろなお芝居をやらせていただきました。

その時点ではどの役になるか分からなかったので、いろいろな役を演じました。その中から紬紀役に選んでいただきました。

─ キャンプに行く女性4人の役を、それぞれ演じたということですか?

そうですね。最終審査は4人組でお芝居をする形だったんです。何グループかが審査を受けていたと思うのですが、たまたま今のメンバー4人で一緒にオーディションを受けていました。

撮影で改めて再会してからも、呼吸が合うといいますか。それぞれが持っているものと役に通じる部分もあるのかなと感じました。空気感も含めて、すごく呼吸の合うキャストの皆さんと撮影に臨めたと思います。

(C)2026 松竹ブロードキャスティング

─ 出演が決まったと聞いた瞬間は、どんな気持ちでした?

本当にうれしかったです。心の中では「もしかしたら」という手応えも少しあったんですけど、普段からあまり期待しないようにしているところがあって。

もし駄目だったとしても、いい経験としてこれからの人生に昇華させようと思っていました。

でも、マネージャーさんから「決まったよ」と連絡をいただいて、本当にうれしくて。まず、仕事中の母に電話して「仕事中にごめんね。でも決まったよ」と報告しました。一緒に喜んでくれて、私はその場で泣き崩れました(笑)。

─ その時点で紬紀役に決まっていたんですか?

最初は違う役だったんです。そこから監督がいろいろとキャラクターを組み立てていく中で、「紬紀も合うんじゃないか」と思っていただいたみたいで。配役をいろいろ組み替えて、最終的に紬紀になりました。

─ 紬紀をどんな女の子だと捉えて演じましたか?

すごく繊細なキャラクターだと思いました。

自分の利益や「自分が、自分が」というタイプでは全くなくて、みんなのことを考えたときに「じゃあ、どうしたらいいんだろう」とまず考える、すごく思考型の性格です。

空気も読みながら、「今、この場でこの発言をしていいのかな」と考えて、「今だ」と思ったタイミングで発言する。でも、いっぱい考えた結果の言い方になってしまうので、いい子ぶっているように聞こえてしまうこともある。

自分ではその場に馴染めていると思っていても、周りから見ると少し考えすぎて、その場のテンションとは違う言い方になってしまったりする。そういう不器用なところもあります。

一方で、「これをやりたい」と決めたことに対しては、ずっと一途に頑張ってきた子でもあります。ただ、それも「自分がやりたいから」だけではなくて、自分がやることで誰かが損をしてしまうなら、相手を尊重してしまう。

すごく不器用でありながら、繊細な性格なんじゃないかなと思って演じました。

(C)2026 松竹ブロードキャスティング

─ 紬紀の性格とご自身に似ているところはありますか?

ありますね。私もすごく考えすぎる性格なんです。それが「ちょっと損していたな」と感じるようなことにつながった経験もあったので、そこは紬紀と通じるところがあると思います。

それから、紬紀は相手のことを尊重しながらも、好きなことには一直線です。私も好きなことや、やりたいことに対する思いは一直線なので、そこもすごく通じるところだと思いました。

─ 千葉監督からはどんな演出がありましたか?

紬紀の性格について、自分が台本を読んで感じたことと、監督がどういう思いでキャラクターを作ったのかをお話ししながら、一緒に作り上げていった感覚があります。

特に「紬紀はすごく思考型だ」ということは、監督から何度も言っていただきました。

自分の次のセリフはもちろん分かっているんですけど、そこに至るまでにほかの子たちの会話をしっかり聞いて、それを受けて紬紀がどう考え、この発言に至ったのかを自分の中で考える。

ただ、それを顔に出しすぎるのではなく、繊細に演じることを意識して撮影に臨みました。

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